Copilot Studioの試作を本番へ移す前に、業務責任者と情シスが、任せる範囲・許容する結果・利用権限・運用担当を決めましょう。そのうえで、回答と操作の試験記録を残し、限定した利用者で確認してから範囲を広げます。本番移行の成果物には、担当者が利用可否を判断できる記録まで含めます。

Microsoft 365を利用し、試作したエージェントをTeamsなどで業務利用したいDX・情シス責任者に向けて、未決事項と外部へ依頼する作業を整理します。以下の判断表は、アクセルAIが業務利用の判定に向けて提示する設計案です。採用する構成に合わせて、確認項目と担当を調整してください。

参照するMicrosoftの評価・公開資料は、standard harness方式のエージェント向けです。採用する方式・公開先・契約・環境に合わせて適用条件を確認します。

公開前に、業務とシステムの判断者を決める

業務責任者は「どの結果なら仕事で使えるか」、情シスは「どのデータ・権限・公開先を認めるか」を判断します。DX担当は未決事項を集め、支援会社が調査・実装・試験する範囲を整理します。一人が複数を兼ねる場合も、最終判断の担当を記録しておきます。

Microsoftの評価機能では、評価未実施やモデル変更に関する警告があっても公開はブロックされません。組織としての受け入れ条件を決め、確認記録と照らして利用を判断する工程が必要です。公式:評価の実行と結果の確認

本番判定では、判断者・証拠・進めない条件をそろえる

次の表を打ち合わせのたたき台にしてください。顧客側は利用条件と判断者を決め、支援側は構成や動作を確認できる記録にします。未解決事項が残る場合は、その機能の公開を見送る、参照だけに絞る、利用部署を限定するといった範囲の見直しを行います。

表は横にスクロールして確認できます。

アクセルAIの設計案:本番移行で確認する担当・証拠・進めない条件
判断項目顧客側の判断・責任支援側の作業案確認する証拠その範囲を進めない条件
業務範囲業務責任者が任せる作業と受け入れ条件を決める現行業務と対象・対象外を整理する業務フロー、受け入れ条件、判断者利用結果の責任者が未定
データ・接続業務側が正本と更新担当、利用可能な情報を決める接続先と情報の流れ、更新条件を整理する接続一覧、データの流れ、更新記録情報の使用許可や正本が未確定
利用者・権限情シスが閲覧・実行可能な範囲を承認する認証・資格情報・接続権限を設計し試す権限表、権限外の利用も含む試験記録権限外の参照・操作ができる
回答品質業務側が期待回答と回答を控える条件を決める質問セットを作り、評価と改善を行う期待結果、実際の回答、出典、未解決の失敗重大な誤回答が未解決
操作・承認業務側が承認者と中断時の対応を決める承認・拒否・失敗時の動作を設計し試す承認ルール、拒否・再実行の試験記録未承認で操作が進む、復旧できない
公開・更新情シスが公開先と公開担当を決める移送後設定と実チャネル、変更後の動作を確認する公開設定、受け入れ記録、変更・評価履歴本番の認証や接続が未検証
継続運用運用責任者と費用・障害対応の担当を決める監視、更新、引き継ぎの手順を整える構成・設定記録、運用手順、担当一覧更新や障害対応の担当がいない

確認記録は、設定画面や試験結果への参照先を添えると後から追えます。「問題なし」だけで済ませず、誰が、どの利用者・データ・公開先で確かめたかを記載します。

本番公開の判定用CSVをダウンロードする。判断項目・判断者・期待条件・確認記録・未解決事項・判断を記入する雛形です。確認記録を持ち寄り、利用範囲を判断するためにお使いください。

回答品質は、正本と実際の業務質問から確認する

接続できる資料が複数あっても、どれを正本として扱うかは業務側の判断です。古い規程と新しい規程が混在する場合、更新日や適用条件を整理します。必要な情報がない質問には、回答を控える、担当者へ案内するなど、望ましい振る舞いも決めます。

質問セットには、普段の質問に加え、条件が足りない質問、資料に答えがない質問、誤ると影響が大きい質問を含めます。期待する答えと出典を業務担当者が確認し、実際の回答・使用した情報・未解決の失敗を記録します。

公式の評価機能では同じテストセットを繰り返し、変更前後の結果を比較できます。採点結果を参考に、業務担当者が重要な誤りや回答を控える条件を確認する運用を提案します。参照元の更新やモデル変更後も、同じ質問で確かめる範囲を決めておきましょう。

参照権限と、操作を許す条件を別々に決める

「社員がエージェントを使えるか」と「その社員が接続先の何を読める・変更できるか」を確認します。作成者のアカウントだけで試験せず、利用を許可した人と権限のない人で、想定する制限が働くかを確かめます。

Copilot Studioの公式資料は、認証、ナレッジ、コネクターやアクション、公開先などをデータポリシーの管理対象として挙げています。採用する接続方式・資格情報・管理ポリシーを整理し、実際の環境で検証します。公式:セキュリティとガバナンス

登録・送信などの操作を任せる場合は、承認者、承認前に見せる内容、差し戻し、中断時の対応を設計します。人の承認はこの記事の業務設計案であり、製品がすべての操作で一律に保証するものではありません。実現方法は採用構成ごとに確認します。

移送後の設定と、公開先での動作を確かめる

MicrosoftのALM指針は、開発・テスト・本番の環境を分け、solutions、環境変数、接続参照を使う運用を推奨しています。また、手動の認証設定、公開チャネル、共有など、一部の設定には移送後の作業が必要です。試作の移送と、本番環境の確認を作業計画に含めます。公式:ALM戦略

公開については、まず自分向けに公開した版を試し、構成と動作を確認してから利用者を広げる手順が案内されています。Teams等の予定するチャネルで認証・接続・表示を確かめます。デモサイトは本番用途を想定していません。公式:エージェントの公開と展開

更新時は、何を変えたか、誰が再評価し、誰が公開するかを決めます。公開した版で不具合が見つかったときの利用停止や手作業への切替も、関係者が実行できる手順として残します。

仮想の設計例:社内申請の案内から範囲を広げる

判断表の使い方を示す仮想の設計例です。社内申請を支援するエージェントなら、規程の案内と申請内容の下書きを初期範囲にします。業務責任者は正本となる規程と回答条件を、情シスは利用者と接続権限を決めます。

申請の登録・送信を追加するときは、承認前に内容を確認できること、承認されなければ操作が進まないこと、失敗時に対応できることを別途確認します。確認できない操作は公開範囲に含めず、案内・下書きの範囲で利用を判断します。

支援会社には、実装と判断記録の両方を依頼する

相談時には、試作の概要、利用予定者、接続候補、公開先、困っている点を共有してください。見積もりでは、業務条件の整理、接続・権限の設計、評価、公開後の確認、引き継ぎのどこまでを含むかを確認します。契約前に実施範囲・成果物・顧客側の担当作業を合わせましょう。

運用の引き継ぎ先には、構成・設定、質問セット、評価結果、更新手順、障害時の連絡先を残します。接続や監視の共通環境はAI実行基盤の整備、社内担当者の育成はAI推進者育成・内製化支援と合わせて整理できます。環境設計の論点はAI実行基盤の記事も参照してください。

アクセルAIへの相談内容はCopilot Studio活用支援で確認できます。支援の進め方と支援者の背景を確認し、試作と本番移行の未決事項をご相談ください。

試作の次に決めることを、一緒に整理する

試作の概要、公開予定先、接続候補、困っている点をお聞かせください。

試作と本番移行の未決事項を相談する

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